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<目次>
■はじめに
■今、入札で企画提案書を求められている
●増えている官公庁自治体入札
●総合評価方式が多くなっている
●高度化する入札企画提案書
●企画提案書で総合評価点を多く獲得することが重要
■求められている入札・企画提案書の内容
●事業の趣旨・目的を理解しているか
●事業を運営できる能力、ノウハウ、スキルがあるか
●当該事業に類似した実績・経験があるか
●事業を運営する従事者に能力はあるか
●細かい企画提案書の形式、様式への要望
□用紙サイズ
□用紙の置き方
□用紙の空白
□文字サイズ
□作成枚数
□印刷の規定
□プレゼン資料
■入札・企画提案書作成のポイント
●事業の根っこを理解する
□対象者は誰か
□何を実現したいのか
□業務運営において業者は何を求められてるのか
●自社の強みを活かす
●コンテンツが重要、地に足のついたアイデア
●分かりやすい企画提案書
□見て分かりやすいこと
□可能な限り図解すること
□難しい言葉は使わないで分かりやすい文章で書くこと
●詳しい人や専門家にチェックしてもらう
■入札・企画提案書作成のプロセス
●仕様書をよく読む
●社内提案体制を作る
●企画提案書の構成を決める
●求められていることについての自社の情報、素材を集める
●ラフ構成する
●項目レベルで見せ方を工夫
●関係者で内容をチェックする
●仕上げ作業
■入札・企画提案書作成の実際
●企画提案書の作成ステップ
□全体を構成する
□全体をラフ作成する
□細かく作り込む
□最終チェック
■おわりに
<本文>
■はじめに
日本の官公庁自治体において民間業者に事業を委託する入札が増えていて、中でも入札企画提案書の提出が求められるケースも多くなっています。
入札企画提案書の作成に苦労している人も多いですし、どうやって書いたらいいかを説明しているドキュメントもほとんどないので、10年以上にわたって多くの年で年間10案件以上の入札企画提案書を作成している私が出すしかないと思い、本書を書くことにしました。
基本的には、入札に初めて参加する人やあまり慣れてない人に向けて書いています。
そのため入札の基本的な知識や、入札について当たり前のことについても触れることがありますのでご了承ください。
注意点としては、一口に入札といっても、ジャンルとしては建設や建築から売店の運営といった業務まで様々であり、金額的にいえば、大きなものは数十億円のものもあれば、数十万円といったものまで色々です。
当然提出する企画提案書も様々で、似たようなものは多くあったとしても、同じ業務でも1年経てば変わることもありますし、同じものは1つとしてないと言っていいでしょう。
これらをひとつひとつ詳細に説明することはもちろんできませんので、本書で説明する企画提案書の作成方法については、一般的、標準的なものとならざるを得ません。
ただ、基本的なこととして、必ず押さえておきたいことでもあるのです。
ということで、本書で扱うのはあくまでも企画提案書の作成イメージであって、読者の方が実際に企画提案書を作成する際には、その案件に求められる内容にそって工夫して作成する必要があることは述べておきたいことです。
なお、本書で入札について書くにあたりまして、以下の言葉使いなどをとりあえず確認しておきます。
★入札内容を説明する書類は、「仕様書」「実施要領」「公募要領」など、いくつかの呼び方がありますが、本書では「仕様書」で統一します。
★企画提案書は、入札によって、「企画書」「提案書」「計画書」など、いくつかの呼び方がされていますが、本書では一番多く使われている「企画提案書」で統一します。
★企画提案書の採点においても、「評価基準」「審査基準」「選定基準」など、いくつかの呼び方がされていますが、本書では「評価基準」で統一します。
★最近は、官公庁自治体ウェブサイトに仕様書などが公開されることも増えていて、色々な仕様書を入手することも簡単にできますから、応札したい入札については自分なりに調べることが可能です(業務内容の関係で仕様書が非公開の入札もあります)。
■今、入札で企画提案書を求められている
●増えている官公庁自治体入札
入札提案書作成について話をする前に、前提となる入札そのものについて必要最低限のレベルで触れておきましょう。
入札提案書の作成は、入札という制度の一部の話になりますので。
官公庁自治体の業務を民間の企業、業者に委託する際に行われるのが、いわゆる入札です。
現在、民間活力の導入、官公庁自治体のスリム化といった点から、官公庁自治体業務の民間への業務委託が増えています。
特徴的な動きとしては、導入している官公庁自治体が増えていること、委託する業務範囲が拡大していることです。
今まで入札が行われていなかった領域でも、突然、入札が導入されたりすることもあります。
そのため、うん十年も発注者の意志で決められる随意契約で委託を受けていた業者が、入札によって仕事を失うといった事態が実際に起こっています。
入札総合研究所によりますと、2017年度に90万件であった入札発注数は2021年度には105万件に増えてるようです。
市場規模でいうと、全国で国、地方公共団体、外郭団体などを含めて、年約25兆円と言われています。
国家予算が約100兆円ですから入札市場がいかに大きいか分かります。
発注機関の数としては、全国に8,000以上、1万サイトから入札情報が発信されています。
案件数でみると、全国で1日あたり、数千件にものぼっているのです。
<参考データ>
・入札の市場規模 約25兆円(年)
・発注機関の数 全国8,000以上、1万サイト
・案件数 全国1日あたり数千件
これだけの数の入札案件がありますし、ビジネスとしても入札市場はとても大きいものになっています。
この大きな入札市場で現在も多くの実績を上げている業者はもちろんありますし、売上減少などで新規顧客開拓が課題の業者なら、一度、入札ビジネスを検討してみる価値はあるでしょう。
●総合評価方式が多くなっている
入札には、大きく分けて一般競争入札、企画競争入札、指名競争入札があります。
ここではそれぞれの詳しい説明は本書の趣旨から外れるのでしませんが、一般競争入札は入札参加資格を持っている業者が参加できる入札、企画競争入札は入札参加資格をもつ業者が発注機関の提示した予算で行う入札、指名競争入札は発注機関が指名した業者が参加する入札という理解でよいかと思います。
入札の参加資格については、ABCのレベルがあったり、参加できる官公庁自治体が限られたりといったこともあります。
一般競争入札の中には、最低価格落札方式と総合評価落札方式があり、総合評価方式において企画提案書が必要になります。
企画競争入札は、プロポーザル方式ともいわれますが、その名から想像できるように企画提案書が必要です。
指名競争入札は、一般競争入札と同様に、最低価格落札方式と総合評価落札方式があり、総合評価方式において企画提案書が必要になります。
統計的に入札企画提案書が必要な入札が増えているというデータはありませんが、実際問題として、かつては随意契約だった案件が企画提案書が必要な入札になっている話も多く聞きます。
国や自治体としても契約の正当性を担保するためや、価格だけで決めてしまうと談合などに結びつきやすいために、企画提案書の内容を重視した入札を進めるようになっていることが総合評価入札方式が増えている要因のようです。
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